2010年11月8日月曜日

漁船衝突ビデオの即時公開を!

◆ 膨張国家、中国の怨念 その27

    7日(日)は京都出張のためお休みをいただき、ありがとうございました。お休みをいただいている間に尖閣諸島問題は大きく変化しました。衝突ビデオの映像流出事件です。本来はウイグル問題の続きを取り上げるべきなのですが、急きょ予定を変更して尖閣諸島問題に復帰したいと思います。

  9月28日(火曜日)付けの本欄「中国、竹島占拠を徹底研究」 で「漁船衝突ビデオは一切、編集することなく全世界に公表すべきだ」と申しました。しかし民主党政府はビデオの存在を認めながらも中味の公表は一切避けてきました。元新聞記者として各メディアの報道を注意深く見守ってきたつもりですが、なぜ政府が公表を避けているのか具体的な理由は示されていません。わずかに漁船船長の公判用にそれまでは伏せていく、というのがあるだけです。船長が「地検の判断」という理解不明の理由で釈放された以上、ビデオの内容を隠しておく必要はまったくないのです。

  政府は公表しない理由を具体的に発表していませんし、マスコミ各社もその理由を追及しようとしていません。隠しておく理由がぜんぜん分からないのです。この間、中国の態度は180度転換しました。当初は「ビデオを公表すべきだ」と激しく日本政府を非難しながら、ビデオの内容が中国漁船が意図的に巡視船に体当たりした、と分かると「公表すれば日中間の信頼を損ねる」と日本政府に圧力を加える始末。中国は真相解明努力でなく自国利益優先思想の現れが如実です。

  ビデオは国民の税金を使って撮影された貴重な記録です。保存するのに意味があるのでなく国民に発表してこそその存在理由があるのです。衝突事件の真相を解明する上でもそれは絶対必要なことです。ある元左翼の闘士は「中国に贖罪感を持つ民主党政権が国益を損なっても中国に一定の配慮をしておこう、という措置だ。親中国のマスコミもそれにのって公開を主張しないのだ」と言っていました。このようなことを言わせないためにも公表は絶対に必要なのです。

  船長についても「海上民兵の将校」「酔っ払い操船」「もうけ主義特攻隊」など様々なことが言われましたが海上保安部は沈黙を守ったままです。真相を公表していません。ビデオをみれば多少でも問題点は分かるでしょう。一刻も早く全ビデオを公開すべきなのです。

  それからもう一つ問題点があります。それはビデオを流出させた“犯人”の捜査です。マスコミは福岡高等検察庁が乗り出す、と報じていました。しかしそこまでする必要があるのでしょうか。たかがビデオの流出です。たとえば公開前のテレビドラマの流出で高検が動くのでしょうか。テレビドラマの流出は制作者という被害者があります。被害者があるにもかかわらず民事という側面もあり、公権力はなかなか動きません。しかし漁船衝突ではビデオ公開によっての被害者はありません。ビデオ公開を拒否し続けてきた政府の面子があるだけです。面子救済のため高検が動く必要があるのでしょうか。

  国民が納得できる理由で公開されていないビデオをユーチューブに発表したその人こそある意味では真の愛国者なのです。その人は愛国的気分で公表したのでなく、ただ面白半分で公表したのかもしれません。しかしビデオの公表で衝突事件の真犯人は中国漁船と分かってしまったことは、日本国家という利益につながります。国益より中国に配慮するという民主党政権の反国民的態度こそ問題なのです。自分たちの外交音痴を覆い隠すため微細な事件を高検という公権力で捜査するその態度こそ非難されるべきでしょう。

   お断りしておきますが、そのビデオを私は残念ながら拝見していません。「ビデオの公表で衝突事件の真犯人は中国漁船と分かってしまった」というのは単なる受け売りです。

    結論を申しますと「犯人探しはやめて衝突ビデオを無編集のまま即時、公開すべき」ということです。皆様はどうお考えですか。

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