2010年10月29日金曜日

チベット、ウイグルを侵略

◆膨張国家、中国の怨念 その19


   10月10日付け「華夷秩序を周辺国に押し付け ◆膨張国家、中国の怨念 その8」 で今回の事件の底流をなす中華思想について触れ、「冊封体制を拒否し続けてきたウイグル、チベットは共産中国が成立後、侵略され、独立を奪われました。中華思想の偉大な実践者、それが共産中国なのです」と書きました。ところが元社会党員の方がある会合で、「ウイグル、チベットはもともと中国の領土だ、中華人民共和国が侵略したなんてウソだ。ソ連はともかく中国共産党が他国を侵略するなんてありえない」とおっしゃったそうです。ウイグル、チベットが元来、独立国で戦後、中国の侵略を受け、原状回復ができない状況をお話します。

   少し長くなりますがチベットの現状をサンケイ新聞の24日付記事で引用します。

   チベット族デモも拡大 中国語教育の強制に反発
 
   【北京=川越一】反日デモが続く中国で、少数民族による政府への抗議デモも広がりをみせている。中国語による授業を義務づける教育改革に対しチベット族が反発し、青海省チベット族居住区で火がついた学生による抗議行動が首都北京にも飛び火した。民族同化をもくろむ当局のいき過ぎた教育改革が、漢族への不信感を増幅させている。

    チベット独立を支援する国際団体「自由チベット」(本部・ロンドン)によると、青海省黄南チベット族自治州同仁県で19日、民族学校の高校生ら5千人以上がデモ行進し、「民族、言語の平等」を訴えた。20日には同省海南チベット族自治州共和県で学生が街頭に繰り出し、「チベット語を使う自由」を要求。22日には、北京の中央民族大学でも学生がデモを敢行した。

    英BBCによると、24日には黄南チベット族自治州尖扎県で民族学校の生徒に教師も加勢し、総勢千人以上が教育改革の撤回を求めてデモを強行、治安部隊が出動する事態に発展した。

     発端は9月下旬、青海省が省内の民族学校に、チベット語と英語以外の全教科で中国語(標準語)による授業を行うよう通達したことだった。教科書も中国語で表記する徹底ぶりで、小学校も対象という。

     当局の中国語教育の強化の背景には、中国語が話せないため職に就けないチベット族が少なくないという現状がある。就職難はチベット族と漢族の格差をさらに広げ、それがチベット族の当局に対する不満につながっているのも事実だ。

     しかし、2008年3月、チベット自治区ラサで発生したチベット仏教の僧侶らによる大規模騒乱が示すように、中央政府のチベット政策に対するチベット族の不満、漢族に向けられる嫌悪感は根強い。

     今回の教育改革も、チベット族学生の目には「漢族文化の押しつけ」「民族同化の強要」と映っているようだ。「自由チベット」は中国当局がチベット語の“抹殺”を図っていると主張している。

     同省共産党委員会の強衛書記は21日、黄南チベット族自治州で学生代表と座談会を開き、「学生たちの願いは十分尊重する」と約束した。中国当局が反日デモ同様、教育改革に対するチベット族の抗議デモが、体制批判に転じることについて懸念している状況をうかがわせる。

   いかがでしょう。チベットの現状がよくお分かりになると思います。中国は日本が朝鮮を統治していたときとまったく逆な施策をしています。日本が朝鮮統治を開始したとき、朝鮮では独自文化であるハングル(諺文、朝鮮文字)が消え去ろうとしていました。当時の支配者だった李氏朝鮮が「ハングルは低い文化で無くしてしまえ」と弾圧したからなのです。これに対し日本は「ハングルは朝鮮独自の文化」だとして普及に乗り出し、初等教育で教えたのです。昨年、韓国を訪問しましたが、現在の韓国はハングルのみ使われており、漢字はどの書籍をみても使われておりません。北朝鮮も同じだと聞いています。日本が朝鮮文化を守ったのです。

    文字はその国の文化です。共産中国がチベット文化を圧殺しチベットを漢族化しようとしているのは間違いありません。

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