2010年9月24日金曜日

煮えくり返る船長釈放

 ◆膨張国家、中国の怨念 その1

  今回は急きょ、予定を変更して「膨張国家、中国の怨念」を書きます。怨念とはまたおどろおどろしい表現ですが、それ以外に言いようがなくて、そうしました。今回の尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件で沖縄地検が中国船長の釈放を決めたことに対し、各界から批判の声が出ています。国際関係をまるで理解してないこの措置、文字通り日本外交の敗北といえるでしょう。私のはらわたは煮えくり返る面持ちです。こんなことでは海上保安庁の日本領海を守ろう、という気概は失われ、やがては尖閣諸島に中国人の上陸を許し、それを理由に中国が尖閣諸島を占拠してしまうでしょう。竹島の二の舞です。中国も竹島の前例があることから、今後、次々手を打ってくると思われます。海洋軍事力では日本は完全に中国に圧倒されており、米国の支援がないかぎり中国と全面対決は出来ないのが現状です。こうした暴挙になぜ中国が出てくるのか、その民族的背景を探り、国際人としての日本人の対応策を考えます。

  ◇背景にある中華思想 


  日本の教科書にはなぜか出てきませんが、中国人の民族的思想的よりどころとして挙げられるのが中華思想です。中華思想とはフリー百科事典ウイキベデイアによりますと

 

  中華思想(ちゅうかしそう)とは、中国大陸を制した朝廷が世界の中心であり、その文化、思想が最も価値のあるものとし、朝廷に帰順しない異民族の独自文化の価値を認めず、「化外の民」として教化の対象とみなす古代中国大陸に存在した考え方。中華主義・華夷秩序ともいう。
英語ではSinocentrismと呼ばれる。


  実際はそんな単純なものでなく「教化の対象とみなす」とあるとおり、実際に教化に取り掛かり、これに成功した帝王は偉大な帝王として尊敬されるのです。「化外の民」は当然、独自の文化を持っていますから戦争が起こります。中国が勝利した場合は中国式の物の考え方、制度、思想を押し付け、中国の属国としてしまい、毎年、過酷な朝貢を支払わせます。教化は文物でするのでなく、武力でする、というのが思想の背景にあります。実際は教化というような文化的なものでなく朝貢、収奪が目的、という学者もいます。

   さらに問題なのはウイキベデイアでは「古代中国大陸に存在した考え方」と逃げてしまっていますが、これは中世、近世、近代を一貫して流れてきた思想で、現代中国でも踏襲、いやそれ以上に強固なものとなっているのです。強固になった背景は19世紀、中国の大半が日本を含む列強諸国に支配され、その反動が愛国心となって中華思想に昇華してしまったからなのです。その中華思想の対象になったのが今回、台湾に近い尖閣諸島であり、かつては属国とみなしていた沖縄であり、朝貢実績のある日本なのです。日本はかつて東夷と呼ばれ、中国にとっては化外の民だったのです。

   <申し訳ありません。25,26の両日は法要とその準備があり、お休みとさせてください。次回は27日(月)付けです>  合掌

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