2010年5月11日火曜日

3波に分かれて日本列島へ

 ◆縄文人になったブリヤート人

 アジアに向かった現生人類の集団はさらにバイカル湖方面とインド方面に別れ、5~7万年前にはバイカル湖南方に達しました。これが日本人の直接のご先祖になったグループで、現在のブリヤート人とみられます。マンモスを食料としていた ブリヤート系の人々は氷河期で食糧難に陥り、一部はベーリング地峡(当時は海面が下がり、ユーラシア大陸とアメリカ大陸が陸続きだった)を通ってアメリカ大陸に渡り、1万3000年前には南米にまで行き着いています。
 一方、沿海州方面に向かった古モンゴロイドと呼ばれたブリヤート系の人々は、3万年~1万4000年前ごろ石器をたずさえ、陸続きだった樺太経由で北海道へ入ったとみられます。日本の後期旧石器時代を担いました。やがて縄文人に発展。青森県の三内丸山遺跡はこのグループの子孫が構築したと指摘する向きもあります。これに続いて1万2000年ほど前には朝鮮半島経由で薄手の土器を持ったブリヤート人系の人々が日本列島に到着、主に関東・中部地方に住み、ドングリを主体とするナラ林文化を育みました。
 インド経由で東南アジアにきたグループは、氷河期のため海面が下がってインドネシア付近にできたスンダランドという小大陸に移住、ワジャク人となりました。氷河期が終わり、海面があがり、スンダランドが小さくなって行くと、丸ノミ石で木をくりぬき、丸木舟を作り、海へ出ていき、黒潮に乗って、1万8000年年~1万6000年前、沖縄にたどりつき港川人となったとみられています。1万2000年ほど前には南九州へ流れつき、さらに四国・紀伊半島・関東に移っていく者もいました。 南九州は、シイなどの照葉樹林帯であり、木の実が豊富でヒエ・ハトムギ・アワなどの雑穀も食べていたようです。南からきた縄文人の始まりです。南方系モンゴロイドとも呼ばれています。
 一口でいうと縄文系のの人々の流れは3波あったわけです。当然、3波による混血も次第に進み、現在、知られる縄文人を形作っていったのでしょう。

 ◇ここまでの主な参考資料◇

 『日本人はどこから来たか』加藤晋平(岩波新書 )
 『日本人の起源』尾本恵市(裳華房刊)
 『大系日本の歴史1日本人の誕生』佐原真(小学館)
 『遺伝子・DNA 3- 日本人のルーツを探れ- 人類の設計図』(NHK出版)
 

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