◆9000年前に漆装飾品
世界最古の加工品は土器だけではありません。北海道南茅部町では世界最古
の漆製品が発見されました。約9000年前(縄文時代早期)のもです。発
見したのは北海道南茅部町教育委員会で、同町の垣ノ島B遺跡から出土した漆
塗りの装飾品が、縄文時代早期の約9000年前のもの分かったのです。放射性炭
素を使った年代測定の結果、判明しました。漆製品はこれまで、中国の揚子江
下流域で発掘された約7000年前のものが最古とされてきましたが、さらに2000
年も上回ったのです。装飾品は腕輪などで、縄文人がおしゃれだったことがう
かがえます。
◆世界最古の造船用具
また鹿児島県の栫ノ原遺跡から、縄文時代草創期に当たる約1万2000年前の
世界最古の造船用具が発見されました。身が円筒形で刃部が丸ノミ状であり、
頭部が亀頭状にふくらんだ珍しい形態の磨製石斧です。この石器は「栫ノ原型
石斧」と命名されました。栫ノ原型石斧はチョーナ型(横斧)で、その用途は
木材伐採や一般加工ですが、特に「丸木舟」の製作に使われたと考えられます
。頁岩を磨いてつくったものです。長さ約15.7センチ、幅約4.2センチ、厚さ
約3.6センチ、重さ381グラムの手ごろな大きさです。
丸木舟の製作方法は木材を半割りしたものの上に、焼いた石を置いて木材を
焦がしながら、磨製石斧でくりぬいたものと推定されています。
◆世界四大文明も初期文明の一つ
縄文人は現代日本人へと連綿とつながってきます。それに対し世界四大文明(メソポタミア・エジプト・インダス・黄河文明を指す)は中国を除いて現代人との関連が薄く、地域によっては断絶しているとも考えられます。考古学研究が進展した現在は、人類初期文明をこれら四大文明に限定する見方は否定され、現在はこの四大文明も初期文明のうちの一つであるという見方が多数を占めています。ということは縄文時代も、この初期文明の一つとして位置づけるのが良いのではないでしょうか。日本人として日本文化は「世界最古に直接さかのぼる」と自信を持つのが当然といえましょう。
2010年5月25日火曜日
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「丸木舟の製作方法は木材を半割りしたものの上に、焼いた石を置いて木材を焦がしながら、磨製石斧でくりぬいたものと推定されています」とありましたが、どうやって半割が出来たか分かりません。
返信削除浩太郎