2010年5月8日土曜日

すべての人類は1人の女性から

 「国際派日本人の基礎教養講座」に関心を持っていただき誠にありがとうございます。日本に生まれ、日本に住み、そして日本社会、日本の風土から他国では考えられないほどの多くの恩恵を受けながら、日本への感謝、地域社会への感謝を忘れた人があまりにも多いと感じています。それどころか外国のほうが優れている、外国のほうが正しい、と日本をけなす人も多くいます。それはそれで結構なのですが、単なる批判ではなく、それを建設的意見に昇華するのが筋ではないでしょうか。日本はそうした意見を受け入れる土壌がある世界でも数少ない幸せな国なのですから。日本という国を批判する人の話を聞いていますと、その底に日本の歴史、特に近現代史をまったく知らなかったり、日本人のすばらしいバックボーンに気付かなかったり、日本と大陸諸国の精神形成の違いを理解していないなど、あまりに無知な面が目立ちます。要は自分のことを知らなさすぎるのです。 この講座では初回に趣旨を申しましたが、日本とは何か、日本人とは何か、日本列島への思い、世界の中の日本、地球史の中の日本など、日本人としてのアイディンティティを認識し、外国人と太刀打ちできる国際人が育ったなら、と思っています。いろいろな考え、反発、共感、時には抗議もあるでしょう。ぜひメールでご意見を送りください。期待をしています。最初は日本人のルーツを考えてみたいと思います。
 ◆縄文人は北から、南から
 中高校生のころ「お前は毛が濃いから先祖はアイヌ人だ」「君は朝鮮顔だから朝鮮人の子孫だ」「色が濃い俺は南方出身だ」などと祖先がどこから来たか言い合ったものです。特に高校生にもなると自他を意識する年齢になり、合宿で風呂に入ったりすると互いの胸毛やすね毛の有無が気になりました。女生徒でも細面・丸顔、色の白さ、直毛・縮じれ毛など思春期のころは親からの遺伝を考えた方も多かったでしょう。日本人ならば同じ顔つき、体格をしていればいいものを思春期を悩ますこの違いはどこからきたのでしょうか。日本人が北、南、東から何派にも渡ってきた多くの民族の混血の結果だと、いわれています。最新の科学によりますと母から娘に伝わるミトコンドリアDNA、父から息子に伝わるY染色体DNAを調べていくと家系、しいては民族の系列が分かるようになりました。DNAは原則、変化しませんので母と娘、父と息子は同じDNAを持つ、というわけです。 ところがDNAは一定のペースで突然変異が起こることも分かってきました。たとえはミトコンドリアDNAは約1万年で突然変異を起こすと言われています。そうなれば歴史が長くなればなるほど、その集団でのDNA配列の違いは大きくなる、ということになります。 そこでアメリカのDNA研究グループが人種ごとのDNAを調べ、現生人類の系統樹を作成しました。その結果、驚くべき結果が導き出されました。なんと「すべての現代人は約20万年~約15万年前に東アフリカの大地溝帯に生まれた1人の女性を、共通の祖先とする」というものです。女性の名はイブと名づけられました。あの「アダムとイブ」のイブです。アダムについてはまだ分かっていません。イブがどうして誕生したか、旧人と言われる現生人類の直接のご先祖の1人がなんかの弾みで突然変異を起こし、すべての民族の母になったのでは、とも考えられます。「人類はみな兄弟」といえるわけです。

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