2010年5月28日金曜日

大切に埋葬された縄文犬

 我が家では犬を飼っています。柴犬とコリーの混血らしく、顔はまさに芝とコリーのいいとこどり、耳は柴、尻尾は捲くれているところが柴犬でふさふさしているところがコリーで、かわいいことこの上ありません。夜は私と妻の間をいったりきたりで、時には奪い合いになることも。自慢話をしてしまいましたが、その柴犬こそ縄文犬の子孫なのです。

 ◆柴犬の祖先

 縄文時代の日本列島に犬がいました。全国の縄文遺跡からはたびたび犬の骨が出土することから縄文人が飼っていたのです。古いものではでは縄文時代早期(約8,000年前)の犬の骨が見つかっていますので、縄文時代の開始当初から縄文犬が飼われていたようです。

 犬の骨の中には、まとまって出土する場合があり、人間と同じように埋葬されていたことから、死ぬと墓を作り、魂をあの世に送っていたようです。中には人間にだかれるようにして一緒に埋葬された例もあります。縄文時代には犬以外の動物には墓を作りませんでしたので、犬は縄文人にとって特別な動物であったことがわかります。縄文犬は狩猟犬だったようですが、骨折もみられることから果敢に動物に立ち向かったことが考えられます。狩猟中に骨折した犬も、自然治癒したものがあり、役に立たなくなっても大切に飼育されていたらしいのです。この犬たちは人々にいかに愛されてきたかということがよく分かります。。仲の良い大事な友達、あるいは家族の一員と言ってもいいのかもしれません。

 喜んでで野山を飛ぶように走って猟を手伝い、里にあっては家族の一員として人々との共生関係を保ち、愛され大切にされてきた縄文犬。動物考古学の国立歴史民俗博物館の西本豊弘さんは、出土した骨の特徴から、縄文犬の姿を「体高は40cmほどの小型犬で、四肢が太く、短い、がっしりとしたたくましい体つきで、前頭部にくぼみのないキツネのような顔立ち」と推定しています。柴犬の祖先と言えます。縄文は犬にとっても人にとっても幸せな時代だったのですね。

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