2010年5月9日日曜日

脱アフリカ、世界各地へ

◆何波にも分かれて
 人類の祖先はアフリカで1人の女性から始まったことをお話ししました。日本人も当然、このイブの子孫です。この遺伝子解析に化石、考古学、血液学などを加味して調べていきますとイブの子孫は10万年ほど前に、押し出されるようにアフリカ大地溝帯から北に向かうグループ、西に向かうグループ、南に向かうグループに分かれました。もちろん現地に残ったグループもあります。人口が増えすぎたか、または気候変動で食糧難に陥ってしまったのが民族大移動の原因でしょう。弱いグループが追い出されたと推定されます。北に向かったグループはオリエントでヨーロッパ行きの集団とアジア行きの集団に別れました。その後、何波にも”脱アフリカ”が繰り返されて、現在みられる地球上のヒトの分布の原型ができたと考えられています。 30年ほど前まではネアンデルタール人はヨーロッパ人の、北京原人はアジア人のご先祖、という説がありましたが、混血があった可能性は捨て切れませんが、両者とも絶滅人類で、現生人類とは直接関係がない、と判断されています。

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