2010年8月12日木曜日

大型トラックに積載可能

◆韓国、日本原発を狙う巡航ミサイルを配備 その3



  玄武3Cは韓国軍と国防科学研究所(ADD)が開発し、ADDの探索・体系開発、試験評価を経て、LIGネクスウォン(旧LG精密)が量産を開始した最新型巡航ミサイルです。全長6m、直径53-60cm、重量1.5tで、大型トラックに搭載できる大きさ。飛行機と同じジェットエンジンを搭載しており、速度はマッハ1(時速 1260km)以下で、弾頭重量は450kg程度。目標に対する命中誤差は1-2mとなっており、米国のトマホークに匹敵する性能があります。

  韓国は北朝鮮のようになぜ弾道ミサイルを開発せず、巡航ミサイルを採用したのでしょう。アメリカが韓国の暴走を恐れてミサイルの開発規制を”押し付けた“からなのです。北朝鮮のミサイル発射を受けて2001年に新たに改正された米韓ミサイル合意(ミサイル関連技術輸出規制・MTCR)は、韓国が開発可能な弾道ミサイルを射程距離300km以内に制限する一方、巡航ミサイルについては無人航空機(UAV)と同じ系列に分類し、「弾頭重量500kg」を超えなければ、射程距離に関係なく開発することを認めたのです。韓国国防部としては、北朝鮮全域を制圧できる巡航ミサイルの開発に力を注ぎ、射程1000キロの玄武3Bを2006年ごろ配備しました。

  北朝鮮に対してはこれで十分だったのですが、将来、発生しうる対日戦を考慮、日本列島全域を攻撃対象とし得る射程1500キロの玄武3Cを開発したのです。

  これに対し反応したのは日本でなく中国でした。中国メディアの反応は素早いものでした。韓国メディアによると、中国の環球時報は「今回のミサイル開発により、韓国の戦略的威嚇(いかく)が朝鮮半島を超えた」とし、ミサイル射程距離内に中国の一部が含まれたことについて憂慮(ゆうりょ)を示しました。

    さらに、「韓国の冷静でない態度は、東北アジアから歓迎されないだけでなく、天安艦事件を口実に禁止区域にまで飛び込もうとしているのではないか」「ミサイル開発により、刺激と不安が東北アジア全体に波及する」と韓国のミサイル開発に対し強く批判しています。

  しかし冷静に考えれば韓国が中国を攻撃することは事実上あり得ないのです。あまりにも国力が違いすぎ、もし両国が交戦状態となったら中国は核弾頭付きの中距離弾道ミサイルを韓国にたたきこむでしょう。北朝鮮というクッションがある以上、両国が直接矛を交えることはあり得ません。玄武3Cの狙いはあくまで日本なのです。日本にこのミサイルを迎撃する能力があるのでしょうか。

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