2010年8月8日日曜日

玄武3C、日本を狙う

◆韓国、日本原発を狙う巡航ミサイルを配備 その1

   7月17日付の朝鮮日報、中央日報など韓国メディアの報道によりますと、韓国軍は射程1500キロメートルの地対地巡航ミサイル「玄武3C」を開発し、年内に実戦配備することが分かりました(既に配備済みとの報道も)。「玄武3C」は設定された進路、目標に自らを誘導する慣性航法装置(INS)と、衛星からの電波で固定目標へ誘導する衛星航法装置(GPS)を結合しており、イラク戦争で威力を発揮した米軍の「トマホーク」級の攻撃が可能だといいます。

  射程距離は1500キロメートルと朝鮮半島を大幅に超える長距離で、日本列島全体を攻撃範囲に納めました。中国の北京(ソウルから950キロメートル)、ロシアのウラジオストク(同750キロメートル)だけでなく日本の東京(同1160キロメートル)もすっぽりと射程に入ります。記者はこれまで実戦配備に対する政府、与党、マスコミなどの反応を注視してきましたが、読売新聞など一部マスコミが事実関係を報じただけで、対応策らしきものは何ら出てきませんでした。記者は2006年秋にインターネット新聞「オーマイニュース」などで「玄武3C」の前段となる「玄武3B」の配備の事実を指摘するとともに「玄武3C」の開発が進行中だと対策を訴えました。しかし政府、与党ともそれへの対応はまったくなく、マスコミも無関心でした。この「◆韓国、長距離巡航ミサイルを配備へ」 の記事では「玄武3C」配備の問題点を改めて指摘したいと思います。


 韓国がこれまで実戦配備していた地対地巡航ミサイルは、射程距離500kmの「玄武3A」、同1000kmの「玄武3B」の2種類で、それ以前に配備していた短距離ミサイルは廃棄されていると思われます。「玄武3B」は韓国東岸に発射基地を置くと北海道と東北の太平洋側を除く日本列島のすべての原子力発電所と東京を射程に収めます。韓国西岸に配備すれば北京、上海など中国沿岸部が射程に入ります。対北朝鮮への配備としては過剰な射程距離で、極東の軍事バランスに大きな影響を与えました。

  今回の韓国の射程1500キロメートルの巡航ミサイル実戦配備は、米国、ロシアに続き世界で3番目となります(一部報道によりますとイスラエルも所持している可能性があります)。問題点は玄武3Cが韓国の主力敵である北朝鮮を狙ったものではない、ということです。北朝鮮に対しては従来の射程1000キロメートル級の玄武3Bで十分であり、たとえ朝鮮半島最南端に玄武3Bを配置しても北朝鮮全土を射程に収める事ができます。つまり玄武3Cの照準は日本、中国、ロシアにある、ということです。玄武3Cに狙われた日本として黙っていてよいものでしょうか。

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