2010年8月19日木曜日

射程1300キロの天竜

◆韓国、日本原発を狙う巡航ミサイルを配備 その9

  韓国海軍が所持していて日本からあまり注目されていない兵器、それは韓国産の艦対地巡航ミサイル天竜(チョンリョン)のことです。天竜は従来、射程500キロ以上と伝えられ、主として北朝鮮対策の艦対地ミサイルと思われてきたのです。ところが韓国国防省関係者は今年7月、韓国マスコミの取材に対し「玄武3Cはすでに海軍艦艇に配備された射程距離1300キロの天竜を改造したもの」とし「誤差範囲は3メートル以内で正確だ」と説明したそうです。

  玄武3C(射程1500キロ)はこれまで玄武3B(射程1000キロ)の発展型と思われてきました。記者も過去の取材からそう思っていました。ところが艦対地ミサイル天竜は射程500キロ以上というその「以上」は実は1300キロもある長射程巡航ミサイルだと分かったのです。軍関係者が兵器の能力を過小に評価してみせるのは防諜上、日常茶飯事です。それにしても500キロと1300キロでは大違いです。対日作戦用の意図が込められていたことから実際の射程距離を秘密にしていた可能性があります。

  それと同時に天竜の基になったのが米軍のトマホークです。トマホークは各種ありますが、主力は射程1500-2000キロクラスです。500キロクラスを少しづつ改造して1300㌔にしたのなら納得できます。少なくとも3隻以上の駆逐艦に搭載されています。

  この天竜を地対地巡航ミサイルに改造、射程を延ばすのは技術的にそれほど大きな困難はなかったはずです。さらに注目されるのは天竜が潜水艦発射型の潜対地巡航ミサイルにも改良されていることです。2007年以降、投入された3隻の3000トン級巡航ミサイル潜水艦にも配備されていることは確実です。同潜水艦のミサイル発射方法が浮上型か水中発射型かは不明ですが、韓国の技術から見て水中発射型の可能性が高く、周辺諸国は対策に苦慮しそうです。

  この2種類の天竜で日本は大変な苦境に立たされたのです。水上発射型は射程が1300キロもあることから、洋上に出なくても軍港内から容易に日本の全原発が狙えます。洋上でしたら日本の潜水艦や水上艦艇に制約を受けますが、港内でしたら対空ミサイルに守られ安全です。

  潜水艦発射型では例えば三陸沖はるかに潜水待機、必要に応じて天竜を発射します。日本の防空は日本海中心で、早期空中警戒機は4機とも北朝鮮ノドン対策に張り付いていますから、太平洋はがら空きです。三陸沖はるかで発射された天竜は海面すれすれを飛び、航空自衛隊警戒群(地上設置型レーダー)に補足されたときには既に内陸近くに達しています。日本がジェット戦闘機などの迎撃をかけ、対空ミサイル群に指令しても間に合わぬ可能性があるのです。

  何より怖いのが原発1基に的を絞り、玄武B・C、天竜艦対地、天竜潜対地の全てで集中攻撃をかければ日本側はたちまち「弾切れ」となり原発は完全破壊、半径200-300キロは死の国になってしまうことです。韓国側が対日決定権を握ってしまったのです。あなたならこの事態をどう切り抜けますか。

0 件のコメント:

コメントを投稿