2010年6月5日土曜日

犬を食う朝鮮、中国

 ◆韓国では200万頭が犠牲に

 犬は、狩猟犬として働いたり、番犬を勤めたり、さらには愛玩動物として人間家族の一員になるなど、人間にとって極めて相性の良い伴侶です。洋の東西を問わず人間は昔からいつも犬を伴ってきました。ところが弥生人は食用とするため弥生犬を伴って中国大陸から日本列島に移住したのです。当然、出身地の中国人も犬を食べていました。その習慣はなんと現在まで続き、辺地の少数民族を除き、漢民族は犬を食べます。

 中国だけではありません。これまで中国が支配したことのある朝鮮半島やベトナム北部の人々も犬を食べます。これに対し欧米のマスコミは韓国、中国でオリンピック、万博、サッカーワールドカップなど国際的な催事のあるとき「犬を食べる野蛮国」と非難します。ブリジッド・バルドーさんが韓国ワールドカップやソウルオリンピックのとき、「犬肉を食べるような野蛮なことをしないで欲しい」と、韓国に働きかけたことは有名な話です。この2カ国以外ではポリネシア、ミクロネシアの島々で食べられているぐらいで、犬食文化を現在、保持している民族はほとんどありません。

 犬肉料理としては、韓国料理のポシンタンが有名ですね。韓国では2006年、韓国国務調整室が行なった調査によりますと年間200万頭の犬が食べられているそうです。すごい数です。2008年の調査によりますと、ソウル市内だけで530店の食堂が犬食を扱っているそうです。さすがに大通りでは人目、特に外国人の目があるため営業されず、裏通りや路地にひっそりと店構えをしているそうです。昨夏、ソウルを訪問したとき、ポシンタン店があれば写真に撮りたいと裏通りをうろつきましたが、ハングルがよく読めないこともあり、目指す店は発見できませんでした。

 北朝鮮においては、食糧難の中、数少ない蛋白源として珍重されているそうで、平壌観光のガイドブックには「朝鮮甘肉店」と紹介されてそうです。甘肉というのは犬肉のえん曲表現で、外国人の場合、案内員に頼めばば朝鮮甘肉店へ連れて行ってもらうことも可能との説もあります。欧米の批判の影響を受けにくいこともあってか、平壌甘肉店は堂々と大通りに面した場所にあるとか。

 中国では蛋白供給源としてはもちろんのこと、医薬品としても用いられてきました。漢方医の教科書である『本草綱目』にも犬食の記載があり、滋養強化に役立つと説いています。もっともこの本は人肉食も薦めており、今から考えるととんでもない間違いを犯した側面もあります。日本ではさすがに人肉食を薦める部分は削除されて発行されたようです。

 弥生人は犬を食べていたのですが、その後の日本では仏教の伝来、犬公方綱吉の「生類憐みの令」などによって食犬はもちろん、動物食は次第に廃れ、明治維新で牛を食べることが事実上、解禁されまで、公に動物を食することはされませんでした。もっともいろいろな名目をつけて牛などがこっそり食べられたようですが。どういうわけか日本人は世界でも珍しく食べるための家畜の飼養をほとんどしなかったのです。弥生時代には豚も食用として入ったのですが、その後、本格的飼育はされていません。山羊も関東に伝わる羊太夫の伝説のように日本に入るには入ったようですが、いつの間にか飼われなくなりました。日本人が飼ったのは馬と牛で、馬は武士の乗馬用、牛は農耕用として飼育され、食用の目的はありませんでした。その意味で日本人は潔癖だったのです。この食用目的の動物飼養をしなかったことが、山野の緑を守り、美しい日本列島を維持することが出来たのです。肉食を我慢した祖先に感謝しなくてはなりません。

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