2010年7月15日木曜日

現在の繁栄は戦没者のおかげ

  ◆自己犠牲の精神が植民地化を防いだ


  現生人類のご先祖はたった一人の女性で、その女性は東アフリカの大地溝地帯に今から15-20万年まえに誕生、その子孫でバイカル湖付近に達した一族が南回りと北回りで日本列島に到着、縄文人となったこと。中国・長江付近にいた稲作民族が漢民族に追われて日本列島に逃げ弥生人となり、縄文人と合体して現在の日本人となったことを書きました。そして異論はありますが神武天皇が国家を発足させたまでを書きました。これで日本人とは何者なのか、そのルーツが分かったと思います。さらに騎馬民族征服論、金属器、古代宗教などを書きたいのですが、それは専門書が山ほど出ています。「国際派日本人の基礎教養講座」としては日本人の出発点が垣間見えたところで、現代につながる日本人のことを書きたいと思います。

  本日15日夕、東京・千代田区の国立千鳥ガ渕戦没者墓苑で南太平洋戦没者供養の法要が営まれました。これから終戦記念日の8月15日に向け全国各地で戦没者供養のもようしがあると思います。その席で必ず言われるのが「皆様(戦没者のこと)の尊い犠牲で今日の日本の繁栄があります」という慰霊の言葉です。ところがこの言葉を聴いて「なぜ戦没者が今日の繁栄につながるのか、戦争をしていなかったらもっと繁栄していたかもしれないのに」という方が結構、年配の方々にもいらっしゃいます。これについて本日は書きたいと思います。

  米英など連合軍が対日戦略を本格化させ、日本の降伏が見通せる段階になったとき、日本をどのような形で占領するか、論議されました。当初、計画されていたのは完全な植民地にし、皇族は皆殺しにして根絶やしし、国民から教育を取り上げ、産業は農業を除いて禁止、国民を事実上隷属化しよう、というものでした。イギリスによるビルマ占領のイメージがあったようです。ビルマでは王族男子は皆殺しになり、王女はインド人下士官の妻に落とされて王族は壊滅しました。国民はモノカルチャー(単一栽培)の半奴隷になったのです。

  ところが連合軍が日本列島に近づくにつれ、日本軍のすさまじい反撃に逢いました。物資がないのに日本軍は自らを犠牲にした精神性の高い戦闘を展開しました。特に航空機、人間魚雷を使った特攻作戦は米海軍に恐怖感がまん延しました。この結果、「日本を占領しても天皇制を廃止したり、教育を奪えばすさまじい抵抗が起こり、ゲリラ戦で占領軍は30万人以上の犠牲が出る」との結論が出たのです。

  そこで天皇制は残し、教育は米英に都合のいいものに変え、産業は航空、原子力を除いて認める、というものに変えました。体制に従順な日本人は「負けたのだから」とこの施策を受け入れ、ゲリラ戦は発生しませんでした。もし日本軍が命を顧みない、自己犠牲をいとわない精神性の高い戦闘をしなかったら連合軍は日本人を半奴隷化したでしょう。現在の繁栄はありえなかったのです。戦後、日本人は軽武装という負担の軽さを生かし、死に物狂いで働いて今日の繁栄を勝ち取りました。その意味で戦没者の犠牲が今日の日本を築いた、といえるのです。戦没者の奮戦がなかったら現在の日本はないのです。戦没の皆様に合掌しましょう。

                               合掌

  米軍の占領政策のいやらしさはまた書きます。

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